mixiの知人の日記で話題になった「名前に使用される漢字」ですが、このブログで取り上げたことがあるつもりでいたら、勘違いだったようなので、あらためて書いてみることにします。(笑)
私の本名は「齊藤 孝明」です。「孔明志」というハンドルネームとはユニークな関係ですし、今さら隠す必要もないので、しっかりと書いてしまいますが、実際にキチンと書いて貰えない悲しい名前でもあります。
そもそも「さいとう」という名字が厄介ですね。世間では「斎藤」とひとまとめにされることが多いのですが、代表的なものだけでも、斎藤、斉藤、齋藤、齊藤と4通りの「さいとう」さんがいます。
いずれの「さい」もJIS漢字コードがありますから、PC上で表記させるのは簡単ですが、困るのは「藤」の字です。私の正字は草冠が『++』と真ん中が切れて4画で書くのですが、残念なことにJISコードにはありません。
さらに、異体字/俗字/誤字なども含めると、相当な数の文字が使われているようです。この組み合わせを考え合わせると、31×14=434通りの「さいとう」さんがいることになりますね。
ちなみに、右の表は自治体の戸籍課で見せて貰った「誤字俗字リスト」です。手書きのための略字表記なども含まれるため、異体字(14種)よりも多い36種類が記載されていますが、戸籍の電子化に伴い、上段の2文字だけが使用できるのだとか。
しかも、(( ))表記の文字は、戸籍登録のタイミングによっては選択できないのだそうです。
その結果、我が家では私と両親の戸籍謄本上の表記は異なる字になりました。
実の親子なのに、公式書類上は違う名字ということになるのでしょうか?不思議ですね。
(余談ですが、私の「藤」は誤字ではありません。強いて言えば俗字と言うことになりますが、毛筆書体では草冠が分離する文字が存在しますし、筆順を見れば、これも誤りではないことがわかります)
ところで、公式書類はともかく、電話などで字を説明する時に「普通のサイトウさんでよろしいですか?」と尋ねられるのは面白くありません。
思わず「私はフツーじゃないのか!?」とツッコミを入れたくなります。(笑)
まぁ、宛名程度の話なら、笑いながら「フツーのでいいですよ」と言いますが、どうせ簡単な字を書くのなら小の付かない「斉藤」にしてほしいところです。
なお、「難しい方で小が付かない字」と言った場合も、必ずと言っていいほど「齋藤」と書かれてしまいます。(;_;)
もっと悲しいのは、宛名などで「孝明」を「考明」と誤記されることが珍しくないことです。
手書きの時代なら「字を知らない人だな...」と納得していたのですが、DMの宛名ラベルなどでも、この誤記があるのには呆れます。「たかあき」で変換すれば 間違いようがないんですけどね。まさか読めなくて単漢字変換しているのでしょうか?
「齊」を書けないというのは、まだ許せますが、「孝」を読み書きできないというのには、開いた口が塞がりません。
おまけ
「たかはし」さん、とくに「髙橋」さんなども、別な意味で大変なようですね。なにしろ「髙(はしご高)」は漢字コード上の問題から正常に表記されませんから。(詳しい解説はコチラ)
そういえば、作家の「高千穂遙」氏も、JISコードの改訂で新旧字体のコードが入れ替わり、名前が正確に表記できない環境があると嘆いていましたっけ。
法務省サイトに「戸籍統一文字情報」があります。また、(株)日立製作所の「戸籍手続きオンライン用語集」には関連情報が集約されていますので、興味のある方は覗いてみてください。
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